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2015/03/11
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入れ歯について知ろう−その24−入れ歯の歯肉部の大切さ

東日本大震災において,多くの尊い命が一瞬で奪われました。
これでもかという甚大な被害が生じたあの日から4年 、
心より哀悼の意を表し,被災され た方々にお見舞いを申し上げます。
私たち歯科医の役割というのも大切であるということが再認識しました。
歯科の治療痕、レントゲン、それらが無縁仏にならないための重要な
情報となります。


入れ歯の歯肉部の形は審美(見た目)のためでもありますが、
入れ歯の維持安定を高めること
口腔前庭への食物の侵入を防ぐこと
発音に関与すること

も目的があります。

まず発音ですが、特にサ行を発音する時は前歯の裏側に舌を軽く当てて
発音します。この部分、口蓋雛襞(口蓋ヒダ)と呼ばれる部分ですが、
この膨らみを再現することが発音を円滑にすることができます。
逆にいうと義歯でこの部分の膨らみが強すぎると発音しにくくなりますし、
膨らみが弱すぎるとサ行の発音のときに音漏れをした感じになります。

シャンプー洗車300円は
しゃんぷーしぇんしゃしゃんびゃくえん
となる感じでしょうか。
「さしすせそ」が「しゃししゅしぇしょ」となるわけで、
会話に影響があります。

義歯の厚さが厚くなると発音に影響します。レジンの場合は、最低で1.5mmの厚さが必要と
なりますが、発音の不快感を訴えられる方がおられます。
慣れ・適応という問題もあるのですが、どうしても改善が難しい場合は、さらに薄くすること
のできる金属床(厚さ約0.5mm)義歯がよい場合もあります。

余談ですが、前歯の歯ならびの決定の際にする基準として[f]音を使用することがあります。
英語で[f]は下唇を軽く巻き込み前歯で軽く抑えながら発音しますが、これが並べる基準と
なります。
・・・が、日本人でこの[f]は馴染みがないのでほぼ使用しません。

やはり長くなってしまったので次回に続きます。


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