インプラント

歯が抜けてしまった場合に、残っている歯を削ってブリッジにするには抵抗がある、入れ歯には違和感があるという場合にはインプラント治療があります。
インプラントは、齲蝕(虫歯)や歯周病(歯槽膿漏)によって、また外傷によって歯を失ったり先天的に歯がない場合など、歯がない部位に対して適用します。フィクスチャーと呼ばれるチタン製の人工歯根を骨内に埋め込み顎と結合固定した後、その上に人工の歯を製作し装着する技術で、一度失った歯が再び天然歯同様の咀嚼運動(噛み砕く)を回復する治療法です。顎の骨に結合し、その上に人工の歯が連結されますので違和感がなく、ほとんど自分の歯と同じ感覚がよみがえります。
インプラント治療は1本の歯がなくなった場合から全部の歯がなくなった場合まで、適用できる治療方法です。
インプラント治療の流れをご紹介します。様々な方法があるため、典型的な一例です。
ご説明
インプラント手術を行うにあたり、ひとりひとりに沿った治療法をご提案します。
どのような形で施術が行われるのか、治療法や料金、通院期間などのカウンセリングを行います。
検査・診断
ご提案した治療法にご納得頂けた場合、レントゲンやCTスキャンなどを使って、1人ひとりの口腔環境や骨格を確認していきます。
なにか問題があれば、その際にご相談させていただきます。
一次手術
通常、インプラント治療における手術は基本的に2回に分けて行います。ただし、骨の状況等から1回に変更することもあります。
1次手術では歯茎を切開して骨を削り、歯の土台となるインプラント(人工歯根)を埋め込みます。局所麻酔が使われますので痛みはほとんどありませんが、不安が強い方やストレスをかけることが全身状態に影響を及ぼすと予想される場合には鎮静麻酔を行います。
通常1〜2時間程で手術は終了し、その日のうちにご帰宅いただけます。
待機期間
1次手術の後、消毒や抜糸などが終わってから、インプラントが骨としっかり結合(オッセオインテグレーション)するまで、約3〜6ヶ月ほど待機期間をあけます。
※通常下顎は2−3ヶ月、上顎は4−5ヶ月の期間を設定します。
その他条件により延長することもあります。
その際も日常生活には支障がないようにしますのでご安心ください。
二次手術
インプラントが定着したら、埋め込んだインプラントの頭を出し、「アバットメント」と呼ばれる連結部分の装着手術を行います。
上部構造体装着
上部構造体を製作します。
基本的には通常の補綴と同様ですが、インプラントの場合、天然歯と違い歯根膜が存在しないため、微細な部分で調整が異なります。
当クリニックではインプラント手術の際にCTスキャンを行いますが、そもそも何故CTスキャンによる診断が必要なのでしょうか。
以前、東京にある歯科クリニックがインプラント手術を行なった際の事故が大々的に報道されていましたが、その事故は明らかにCTを撮影し、骨形態を確認をしていれば防げた事故でした。
このように、CTを撮影することで、上顎、下顎の骨の3次元的構造、骨の内部にある神経や血管の走行、さらにインプラント埋入予定部位の周囲の組織の状況が明らかになり、目で見ても確認出来ない部分を見ることが出来るというのは大事なことなのです。
全ての症例にCT撮影が必須であるわけではありません。 しかし、CTを撮影することで、顎の3次元的な解析が可能となり、より安全で確実なインプラント治療に繋がることは確かです。
インプラントの構造は、歯根部分となる人工歯根(フィクスチャー)と、上からかぶせる人工歯、人工歯と人工歯根を連結する「アバットメント」という3つのパーツで成り立っています。このうち最も重要となるのがインプラント部分で、主に3種類のタイプがあります。
■テーパードタイプ
全体が先細りになったテーパードタイプは天然歯の形態に似た形になっています。
解剖学的危険部位を避けやすく、初期固定を得やすい形状ですので、骨粗しょう症などの骨が弱くなっている骨にも比較的しっかりと初期固定を得ることができます。
■ストレートタイプ
全体が円筒形になったストレートタイプはテーパードより明らかに骨接触面積が広くなり安定感があるので、基本的にはストレートタイプを使用する事が多くなります。
インプラントの素材は、ほぼ全てのメーカーで純度の高いチタンを使用しています。
チタンは非常に強度があり、腐食に強く、金属アレルギーがほとんど起こらないという、生体親和性の非常に高い素材とされています。
よしなか歯科クリニックでは、術後成績の良いメーカーの一つであるPOIインプラントを採用しています。
その理由として、
和製メーカーとして最も歴史のあるものであること
近年審美性に対しての対策がなされていること
陽極酸化処理、HAコーティング処理でより骨との結合を促進する構造である
などが挙げられます。
インプラント |
部分入れ歯 |
ブリッジ | |
---|---|---|---|
|
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保険適用 |
なし |
あり |
制約あり |
メリット |
顎の骨の中に人工歯根が動かないように固定されます。両隣の歯を削ったりしないので、他の歯への負担がありません。 |
バネで周囲の歯に止めるため、残っている歯に負担がかかります。顎の粘膜で力を受けるため、不安定で噛む力は弱くなります。 |
ブリッジを支えるためには、両隣(場合によってはもっと多くの)の歯を削る必要があります。支えとなる歯には大きな負担がかかります。 しかし、違和感が少なく、噛む力も回復させることができます。 |
審美性 |
優 |
悪い |
良 |
咬合力 |
優 |
弱い |
良 |
異物感 |
ない |
強い |
ほとんどない |
残存歯 への影響 |
ない |
入れ歯の適合が悪いと歯にダメージが加わりやすい |
削ることで影響がある |
耐久性 |
優 |
調整が必要 |
両端の歯に負担 |
手術 |
あり |
なし |
なし |
検査診断料 ※CT撮影料+ステント代含む | ¥33,000 |
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一次手術代 ※①別途Fixture+上部キャップ代必要 | ¥210,000 |
二次手術代 ※②別途仮歯代必要な場合あり | ¥80,000 |
最終補綴代 | ¥165,000 |
例:インプラント1本埋入時