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入れ歯について知ろう−その3−入れ歯の型どりはちょっと難しい?
昨日ためしてガッテンで入れ歯のことをお話をしていました。
概ね考え方には同意するのですが、あのことが絶対であるということはないのですね。
それは人間は個性があるからです。
その点は明日番外編として書きたいと思います。
義歯の型取りは普通の歯の型取りと何が違うんでしょう?
この点をインプラントも含めてお話をします。
インプラントは骨と直接結合しています。対して歯は骨との間に歯根膜と言われるクッションがあります。
そのため、インプラントは上から押しても動きませんが、歯は上から押すと約0.04mm沈下します。
では入れ歯を支えるもう一つの組織、歯槽粘膜はどれくらい沈下するのでしょうか。
実は約0.4mmと言われています。
0.04mmと0.4mm、大した違いはないのでは?と思う方もおられるのではないでしょうか。
この微妙な差は実は大きな差です。
10倍も違います。
この差をなんとかしないと義歯が落ち着くということはないのです。
ほとんど変形しないスポンジと普通のスポンジの違い、といったところでしょうか。
入れ歯を入れた状態でぐっと噛むと0.04mm沈んだ時点で歯はもう沈みません。すると入れ歯はその後
残り0.36mm沈むまで歯の方に回転する力が働きます。
歯は上からの力には強いのですが、横からの力にはめっぽう弱いのです。
そのため、歯はダメージを受けることになります。
そのため、型取りを行う際にはなるべく歯がダメージを受けないように粘膜をしっかりと押さえた状態で
型取りをします。
全部床義歯の場合でも、型取りをする際に、神経を圧迫したり、粘膜が弱い部分にはあまり力が
加わらないように工夫をします。
これが選択加圧印象の原理となります。
入れ歯の型どりが上手くいかないといい入れ歯ができないということになります。
噛み合わせが最も大事と考えますが、かといって型どりをおろそかにしていいという意味ではありません。
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