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2015/04/30
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入れ歯について知ろう−その67−上の総入れ歯にあるポストダム
上の総入れ歯(上顎全部床義歯)の後縁には隆起を作ります。
これをポストダム、後=ポスト 堤=ダム
というのですが、
義歯を作る模型の後方限界の部分に模型に切れ込みを入れて作ります。
このポストダムは軟口蓋部に作るので、口腔内で記録する方法もあります。
「アー」と発音をすると震える部分と震えない部分の境界があり、これを目安とすることもあります。
場所としては口蓋小窩の約1mm後方あたりにあります。
これを掘るとどんな効果があるの?ということですが、絶大な効果があります。
それは、全部床義歯は吸着、吸盤の原理でくっつくため、空気が入り込まないようにする=辺縁封鎖が
重要となります。この辺縁封鎖を向上させることができます。
また、レジンは固まる(重合する)ときに変形をするのですが、この重合ひずみを補償してくれます。
また、見かけ上薄くすることができるため、違和感が少なくなり、嘔吐反射の誘発抑制や舌感がよくなり、
ひいては嚥下の動作を邪魔しないなどの効果もあります。
簡単に言うと
あまり違和感を少なくするには一番上のように徐々に薄くすればいいのですが、薄くなると
強度的に問題が現れます。
しかし、強度を優先した真ん中の図の場合は厚みのせいで違和感が強くなります。
そこで、下の図のように軟組織に一部押し込む形にすれば、違和感も少なく、かつ強度も十分あり
さらに辺縁封鎖性も高くなる、ということになります。
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