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2015/04/13
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循環呼吸と声のお話
本日は入れ歯を知ろうシリーズはお休みです。
循環呼吸という技法についてお話します。
歯科と関係ない、と思われるかもしれませんが、
口腔〜咽頭までをひと単位と考えてみると決して遠いものではありません。
以前にも書いたように、食道と気道、そして口腔は密接なものであります。
循環呼吸とは、管楽器や、民族楽器などでもよく用いられる技法で、
その気になれば永遠に音を出し続けることができる、という演奏法です。
循環呼吸 あるいは Circulation Breathing で調べると動画がいくつかでてきます。
フルートなどをはじめとして小学校の身近な楽器であれば、リコーダーでもできるはずです。
(ちなみに私はできません)
そもそも息を入れることが楽器を鳴らす必要条件です。
一方、肺の中の空気は有限です。いつかは息を吸うことをしないといけません。
そして息を吸うことと吐くことは同時にできないのですが、どのようにして
息を入れ続けることができるのでしょう?
それは口の中に息を貯めて、頬の力で息を押し出す、という過程を付け加えます。
厳密に言えばこの工程は息を吐くのではなく(口の中の)息を押し出しています。
そしてこの工程中は息を吸うことができる(もちろん吐くことも)ので、
息を吐く
↓
口の中の息を押し出す(と同時に息を吸う)
↓
息を吐く
↓
口の中の息を押し出す(と同時に息を吸う)
↓
息を吐く
ということを繰り返します。
実際は呼吸をしていますが、外から見ると息を吐き続けているので楽器が永遠に鳴らすことが
できるわけです。
では声、声はどうでしょう?
声はどこを使っているか、それは声門、のどですね。
声は永遠に出すことはその原理上不可能となります。
口の中の空気を押し出すときには声はどうしても鳴りません。
吸気のときに音を鳴らすことも可能ですが、そのスイッチングのときに
必ず声が途切れてしまいます。
そのため、途切れず声を出し続けることは不可能である、と考えられます。
(もちろん、肺へ外部から空気を直接送り込めばできるかもしれませんが)