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2015/04/28
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入れ歯について知ろう−その65−入れ歯になると楽器が吹けない!?
まず前提として
“歯は大切に”
です。歯ぐきが痩せてくると吹奏感が変わる、というのはかなりよく聞く話です。
長く楽器を楽しみたい方は心がけて下さい。
特にクラリネットやサキソフォンのようなリード楽器の場合は、歯をマウスピースに
当てるため、歯は非常に大切です。
しかし、不幸にも歯を失うことになってしまたら・・・
入れ歯、もしくはインプラント、ブリッジとなります。
マウスピースを加えるときに離脱の力が加わるので、それに抵抗するような装置が
望ましいため、インプラント・ブリッジはそういう意味では最適と言えます。
では着脱性の入れ歯ではどうなるのでしょう。
部分入れ歯の場合では、バネがしっかりしているようであれば、問題なく吹けます。
総入れ歯の場合では吸着による維持のため、顎堤が吸収してしまっている方でなければ
可能です。どうしても難しければ義歯の安定剤を使用するのも一つの手です。
しかし、前歯部付近に繰り返しの過剰な力(この場合では楽器の演奏)が加わると、
前歯部にフラビーガムが出来てしまい、義歯の安定を妨げる結果となる場合もあります。
フラビーガムとは機械的な刺激が長期間加わることで顎堤の歯槽骨が急激に吸収して
粘膜がこんにゃく状に残った状態の歯肉のことです。
最後に、歯を失う前の感覚で楽器を吹くというのはまず無理です。
トランペットで、前歯の歯が一本治された方がいましたが、随分感覚が掴めず悩んで
おられました。
歯ぐきが下がって下の前歯の隙間から空気が漏れるために困っている方もおられました。
難しいのが、“感覚”であることです。
多くの歯を失って入れ歯になった場合、元の状態を望むというのは
非常に困難となるわけです。