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2015/03/05
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入れ歯について知ろう−その21−義歯に使われる金属あれこれ
本日のよしなか歯科クリニックはお休みです。
いつものようにいろんな小さい事務処理に謀殺されると思います。
午後は少しゆったりできるかな。。
部分床義歯では必ず用いますが、全部床義歯(総入れ歯)では
ある条件によって用いられる金属。
この金属は実は様々な材料があります。
一般的に用いられているのはコバルトクロム合金が多いです。
他にはニッケルクロム合金、 金銀パラジウム合金があります。
一般的にはこれらのものが多いのですが、20年以上使用されている
用な義歯の場合、入れ歯のバネが黒くなっているものがあります。
おそらく銀の含有が多くて酸化した結果だと思われるのですが。
上記のものらは保険で使用できます。先にこれらの比較をしてみます。
まず、入れ歯のクラスプ(バネ)の条件を考えていくと、
クラスプの役割は
歯にひっかける際にクラスプがたわむのでたわんだときに折れないような強度が必要
となります。
上記3つを比較すると、実は金銀パラジウム合金はこのたわみに対する耐性が弱いという
特徴があり、強度をしっかりと持たせるために
金銀パラジウム合金はクラスプの太さが最も太くなる
ことになります。言い換えると目立ちやすくなり、厚みで違和感が出やすいということになります。
また、他金属に比べ、やや高価になります。
一方コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金は、強度があるので一般的には
これらを用いるのですが、ニッケルは特に金属アレルギーの原因となりやすいことから
一般的にはコバルトクロム合金を用います。
複雑な形態にすることもでき、強度もあることから保険外の義歯に使用する金属でも
活躍します。
他には金合金、 チタン合金があります。特にアレルギーについて心配される方は
これらの金属の方が安心であると言われています。
(実は金もチタンも極々まれですがアレルギーが報告されています)
金とチタンそれぞれは保険で使用することはできないのですが、それぞれ
特徴がある金属で、
金は重く、チタンは軽い
という特徴を持ちます。
例えば、入れ歯の重量がとても気になるという人であれば、チタンを使用すると
重さが格段に変わります。およそ半分になります。またインプラントで使用されている
ように生体親和性の高い材料です。
金は様々なものに使用されているのでお分かりだと思います。
加工に向いていますが重量がとてもあります。強度を確保すると言う面では
厚さが必要になってきます。
『入れ歯の上あごの部分が分厚くて気持ち悪い』ということがあるのであれば、
厚さを薄くできる金属を使用しますし、
『噛む力が強い』などの人であれば
強度を重視した金属を用います。
いつもお世話になっている昭和歯研さんありがとうございます。