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2016/03/07
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上顎洞穿孔のお話2
昨日のお話の続きです。
上顎洞への穿孔が不幸にも生じてしまった場合、小さいものであれば、強い刺激(ストローで水を吸う、鼻をかむ、
スキューバーダイビングなど)を加えなければ自然に閉鎖をします。
大きい場合は積極的に閉鎖を試みていきます。シーネと呼ばれるものを装着し、物理的に口腔と上顎洞(鼻腔)を
遮断します。シーネというと少しわかりにくいかもしれませんが、入れ歯のようなものを入れておくことになります。
小さいものであればその場で、大きい場合は予め型をとって作っておきます。
また、アテロコラーゲンを利用した物理的閉鎖も行う場合もあります。
大きな穴のとなった場合は減張切開を加えた歯肉を寄せてきて完全に閉鎖を行います。
いろいろと方法はありますが、それほど高い頻度の偶発症ではないので心配しすぎることはありませんが、
適正な対策をなされていないと上顎洞炎が生じることもあります。投薬も予防的に種類・投与期間を変更していく
場合があります。
私も以前上顎洞炎になったことがあり、痛いのと“重たい”という症状がありました。上顎洞炎になると長期に投与が
必要になり、身体的に負担になります。
また、出血量にも寄るのですが、出血が鼻に流れ、鼻血が出ることもあります。
様々なものに想定して治療を進めることとなります。