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2016/03/03
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神経の走行
口腔の組織はおおよそが三叉神経により支配されています。仮に三叉神経の根元で神経を切ってしまった場合、
口腔の運動・感覚はほぼなくなることになります。
顔面神経や舌咽神経なども支配をしています(舌や顔の表情など)が、三叉神経はそれほど口腔組織にとって
密接な関係にあります。
三叉神経は12対の脳神経のうちの一つで第Ⅴ神経とも呼ばれます。
三叉、という言葉どおり、この神経は大きく三つに分かれます。一つは眼神経、一つは上顎神経、一つは下顎神経
と分かれます。
眼神経は名前で連想しそうですが、視覚を司るわけではなく、上顔面部を支配します。上顎神経、下顎神経は
その名の通りですので、顔を正面から見たときに上・中・下と分けて支配していると言えばわかりやすいかと思います。
この神経走行は特にインプラント手術では重要で、神経の位置を熟慮して手術方法を決定していきます。
例えば、下顎神経の分枝の一つ、下歯槽神経は、下顎孔と呼ばれる下顎骨の内側から入り、トンネルのように骨の内部を進み、
オトガイ孔と呼ばれる下顎骨の外側の出口から出て行きます。
この領域内は骨の中に神経が走行するので、上記の神経の位置は把握する必要があります。
オトガイ孔は第二小臼歯の下部付近にあり、このあたりを指で少し強く押すと痛みがあるのがわかります。