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2015/07/24
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ビスフォスフォネート製剤を点滴している人が抜歯処置が必要になったら・・?
以前はビスフォスフォネート製剤を点滴している方は抜歯禁忌となっていましたが、
現在は『原則休薬をしない』までに留められています。
もう少し言えば抜歯をしてはいけないという文言は避けられていると言えばいいでしょうか。
顎骨壊死のリスクは非常に高いのですが、
点滴投与のリスクとベネフィットを考慮すると、状況を鑑みれば
やはり圧倒的にベネフィットが高いことになるからです。
悪性腫瘍の骨転移に伴う弊害は溶骨することによる“病的骨折”と“高カルシウム血症”
特に高カルシウム血症は意識障害などを伴う重篤な症状を引き起こします。
これらから休薬はせずに、ということですが、抜歯を極力避けるように口腔内を
コントロールしていくということになります。
生命予後についても考慮していくべきだと私は考えていますが、抜歯を行うことの
ベネフィットはなんなのか、そして、顎骨壊死を起こすリスクが高くても抜歯を行う
べきなのか、このあたりは医科と相談となります。
ちなみに歯周病の場合、自然に抜け落ちることがありますが、その場合、
問題なく治癒することもありますし、抜けた部分から顎骨壊死が拡がっていく
こともあります。