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2015/04/07
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入れ歯について知ろう−その46−すれ違い咬合は難しい!3
44、45ですれ違い咬合が難しいということをお話してきました。
すれ違い咬合は難しいのですが、難易度を下げる方法はいくつかあります。
その最たる原因は『残存歯 対 顎堤(入れ歯)』という対咬関係を改変することに
あります。
歯を増やす/生やすことは残念ながらできません。しかし、インプラントであれば、
歯の代償として機能してくれます。(この後にもインプラントが出てきますが、概念が
少し違います)
これにより、『残存歯 対 顎堤(入れ歯)』が『残存歯 対 インプラント』となります。
ただし、全ての部分に行う必要があるため、最初のコンサルテーションが非常に重要となります。
また、残存歯の方を変更するということもあります。
それは歯を抜いてしまう、もしくは根のみを残す、いわゆる根面板にするという方法です。
歯を抜くというのはよほどの悪影響があり、保存が難しいと判断した場合ですが、
根のみでも残す方がメリットが大きい場合もあります。
この根のみを残す、方法にすると『残存歯 対 顎堤(入れ歯)』が
『顎堤(入れ歯) 対 顎堤(入れ歯)』となります。
これがもう一つの方法です。
見かけ上はEichner C1からEichnerC2あるいはC3になりますが、顎堤・義歯への力の
伝達は簡略化することからメリットは高い方法です。
(Eichner分類は42を参照して下さい)
最後の方法もインプラントなのですが、先ほどとは概念が違います。対咬関係を修正する
のではなく、義歯の動きを抑制する目的でインプラントを用います。
もう一つの分類、Kennedy分類で言えば、Ⅰ級、Ⅱ級をⅢ級化させるという方法です。
インプラントと言えば上のイラストのような歯が上に入ったイメージだとは思いますが、
この場合は、義歯の支えとしての活用のため、丈の低いアバットメントを装着した状態で
根面板の役割を果たします。
(Kennedy分類はは43を参照して下さい )
このような遊離端欠損(片持ち梁状の欠損)を
最後方部にインプラントを埋入することで中間欠損化します。
入れ歯の支えとしていんプラントを活用します。
上部構造を作らず、欠損部の最遠心端(最後方部)にのみ設定するため、
コストをかなり低く抑えられるというメリットがあります。
インプラントについても後日お話しますが、最終的なかぶせをつけない状態にします。
(イラストでは一番上、中央部のパーツももっと簡略化したものに)
別の方法として、根面板に近いのですが、コーヌス義歯という方法もあります。
かなり精度の高いもので全ての歯を繋げて被せてしまうという手法なのですが、
精度が高い分だけ、応用がきかないというデメリットもあります。
以前、コーヌス義歯を作ったものの、緊急入院してしまい、(義歯をつけずに過ごし)
退院したら歯が動いてしまっていて使えなくなっていた、という人もおられました。
しっかりとコントロールできればいいのですが、これもよく相談した上でになりますね。
個人的には不測・予測内のトラブルの際に対応しやすい方法が望ましいとは考えます。