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2015/03/31
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入れ歯について知ろう−その40−パラタルバーはどこに作ればいい?

もう今日で3月が終わりとなりますね。
早いもので明日から4月、新学期ですね。
よしなか歯科クリニックの近くの公園も桜がそろそろ見頃でしょうか。

さて、今日は上顎に走行させるパラタルバーをもう少し
掘り下げていくようにします。

義歯(入れ歯)の設計に当たって違和感というものを考えていく必要がありますが、
違和感、あるいは異物感をなるべく減らしていくことはどうすればいいのでしょうか。

まず、パラタルバーの基本的な種類として、前方部、中央、後方部にバーを設定する
方法があります。
それぞれ前パラタルバー、中パラタルバー、後パラタルバーと言います。
この中で最も異物感が少ないのは中パラタルバーと言われています。

なぜか?それはそれぞれ前、後では口腔の機能をする上で阻害する要素があるからです。
前パラタルバーの場合、とくに発音の際に違和感があります。
サ行やタ行の発音をすると舌が上顎(口蓋前方部)につくと思います。
この部分にバーが走行することになるからです。

一方、後パラタルバーの場合、とくに嚥下(飲み込み)の際に違和感があります。
つばを飲み込んでもらうと、今度は舌が口蓋全体、特に後方部がしっかりとつくと思います。
この部分にバーを走行することになると違和感が強くなります。

※ただし個人差がありますので、違和感が消えて(慣れて)いく人、全くない人もおられます。

中パラタルバーはこれらを阻害しないと言われています。
ではどこなの?ということですが、一つはドンダース空隙というものを利用します。
実は、私たちはリラックスしていると、舌が口蓋に軽くつくのですが、
中央部だけ舌が口蓋につきません。この部分をドンダース空隙と言います。
この部分にパラタルバーを設計すると違和感が少ないのですが、
ドンダース空隙は第二小臼歯〜第一大臼歯あたりに存在すると言われています。
この部分に走行させます。
まずはこの方法で作っていくのですが、実際のドンダース空隙をもう少し詳しく
調べたいのであれば、レジンにて仮想のバーを作って(本物を作るとコストや時間
が莫大にかかるので)、位置や厚みを決定させていくということもします。


入れ歯で違和感を感じている人がおられた場合、特に発音や飲み込みで気になると
いう方であれば、このバーの位置、厚さが適正かどうかということを注視することに
なります。



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