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2015/03/17
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入れ歯について知ろう−その30−部分入れ歯のコンセプトは何?
部分床義歯に限らず全部床義歯も含め、入れ歯を作る際に考えること、
それはその入れ歯のコンセプトです。
特に部分入れ歯については歯がたくさん残っていたりすることもあり、
その考え方が多くわかれます。
その人が困っていること、希望すること、お口の中の状態、歯の状態・・
考えることが様々あってその中で一番良いと思われる道すじを作るという
ことになります。
そのためのコンセプトです。
今から作る入れ歯は“最終的な入れ歯”なのか“治療のための入れ歯”なのか
“歯を抜くと同時に入れる入れ歯”なのか、入れ歯を入れた後に残っている
歯の治療が必要なのか、、、などなど。
そしてコンセプトを決めるためには検査です。
残っている歯の状態はむし歯がないのか、歯周病が進行しているのか、かぶせ
などに問題があるのか、その歯はいずれはダメになる歯なのか、、、
考えるとそれこそ膨れあがっていきます。
義歯は基本的にはお口の中に問題がなくなって初めて作り始めるというのがベストです。
なので先に残っている歯の治療を行うべきです。
しかし、見た目に困る、食べられないなどがあれば、やはり先に作る必要があります。
そうなると、コンセプトとしては“治療のための入れ歯”となります。
そして次の診療で、患者さまと意見をぶつけ合って(すり合わせて)
義歯の方向性を決めます。
また、これからの時代の考え方として『余命』を取り込む必要があります。
『余命』がわずかであれば、義歯を製作するべきなのか、それとも旅立つ時に
義歯とともにがよいのか・・
これは学術的ではないですが、残された家族、そして御本人の尊厳を考慮すると
いうことになります。
実際義歯が完成して一週間ほどで亡くなられたケースもありました。
御家族の方には泣いてとても感謝をされましたが、こういう生命の触れ合い方も
あるのかと思いました。
次回は部分入れ歯について歯の形を考える、ということをお話しします。