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2015/02/17
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入れ歯について知ろう−その6−芸能人は歯が命、総入れ歯はバランスが命
すごくグッドニュースが入ってきたのですが、それは明日に少し書きます。
私も頑張らないと、という気持ちです。
さて、歯槽頂間線の法則というものがあります。
単純に上下の歯槽頂(歯茎の土手の頂上)
を結ぶ線上に力が加わるようにしましょうということです。
単純に言えばそれまでなのですが、入れ歯が調和して機能するためには
“力の流れを読む”ことが大事になってきます。
食べ物をかむ、あるいは上下を噛み合わせたとき、力は人工の歯を通して
歯肉、いわゆる顎堤に伝わります。
つまり、人工歯は力の入り口である、とも言えます。
入れ歯でかみ合ったときの断面はこういう感じになります。
両側で当たっているとバランスがとれているのですが、
この場合、緑の矢印の方向に力が加わっても入れ歯は外れたりしません。
しかし、食べ物を食べるときはみなさんほとんどの方がそうですが、
“どちらか片方に食べ物をはさんで噛みきり”ます。
この噛み切るまでは片方だけでしか力が加わっていません。
このとき、は入れ歯が外れます。どの矢印でしょう。
もう少し単純化します。
入れ歯をピンクの板、赤の三角を歯ぐきの土手とします。
A,B,Cはどれが転覆するでしょう。
当然、Aですね、三角形の外側に力が加わると転覆します。
一方、BとCは転覆しません。つまり両三角形の内側に力が
加わるように入れ歯を作れば安定します。
しかし、内側には舌があります。あまりにも内側に歯を並べて
しまうと違和感や舌を噛んでしまいますので、
歯槽頂上がよいとされています。
他にもリンガライズドオクルージョンという考え方もありますが、
少し高度になりますのでここでは省略します。
以上から、こんなトラブルがある場合は、人工歯の並ぶ位置の問題という
ことが考えられたりします。
「入れ歯が外れるので、何回か裏を合わせなおしたけど変わらない」
「入れ歯がぴったり吸い付いているけれど物を噛むと落ちてしまう」
根本的に治す必要がある場合がありますので、気になる方は一度ご相談下さい。