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2015/01/30
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先生、親知らずって抜いた方がいいですか? パート2

明日に書くと言っていましたが、一日開いてしまいました。

親知らずを抜くことで、慢性的な痛みから解放されるという意味ではよいと思います。

しかし親知らずを単純に抜く、ということではなく、残す弊害については考えるべきであると思います。

●歯ならびに影響があるか
 親知らずが斜めにむいて生えていると手前の歯を押す形でひっかかることがあります。ここからさらに親知らずが伸びようとして前の歯をぐいぐい押す(実際は押されているとは感じません)ということがおこり、そのしわ寄せが主に前歯に出てきます。
キレイな歯ならびだったのに気がついたら歯がガタガタになっている(叢生)ということもあります。
矯正治療の観点からは親知らずを積極的に抜歯すべきという先生もおられます。

●むし歯にならないか
 親知らずの部分はどうしても歯ブラシが届きにくく、また、複雑な形をしていますので、むし歯になりやすいです。
 親知らずだけがむし歯になるのならまだましなのですが、手前の歯も一緒にむし歯になってしまう人もいます。リスクが高いと思われる場合は抜歯することをすすめます。
 ちなみにむし歯で歯の頭が崩壊してしまうと、歯を抜くのが格段に難しくなります。早めの処置をおすすめします。

●歯ぐきが腫れないか
 上のむし歯にならないかと似ているのですが、炎症が歯ぐきに及ぶと腫れます。腫れると口が開きにくくなったり熱が出たりなど様々な症状が現れます。特に半萌出という中途半端に生えている場合は腫れるリスクが高いです。

こうなっていると上にかいた、歯を押す、むし歯になる、歯ぐきが腫れるがすべておきます。

●頬を噛んだりしないか
 親知らずがまっすぐ生えてくるとは限らず、頬に向かって生える人もいます。その場合は頬を噛んでしまうことがあります。また、親知らずの噛み合わせの関係で頬を噛む人もいます。その場合は噛み合わせを調整するか、抜歯をするかの対応をした方がよいです。また、向かいの歯ぐきを噛んでしまうなんてことも起こります。

●神経との位置関係はどうなのか
 神経の治りは皮膚の傷の治りよりも遅いということは以前書きましたが、親知らずを抜くときに神経を傷つけるリスクがない、あるいは低いに越したことはありません。これはレントゲンで確認します。

●上顎洞との位置関係はどうなのか
 鼻の穴と繋がっている上顎洞という空洞が目の真下にあります。上の親知らずを抜く際はこちらの空洞に穴が繋がるという可能性が他の奥歯よりも高いためよく検討します。もちろん、穴が繋がってしまった場合は閉鎖を行うのですが、リスクは低い方がよいです。
ちなみに以前ルイ16世の話を書きましたが牛乳などの流動物を飲むと鼻から出てくるなんていうことも起こりかねません。

残さないメリットと残すメリット、これらを天秤にかけて、よしなか歯科クリニックの見解としてまず抜歯すべきかどうかを決めていきます。

次は患者さまとのお話です。でも患者さまもお暇ではないことが多いのです。
次回は患者さまのライフスタイルについて考えていきましょう。

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