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先生、親知らずって抜いた方がいいですか? パート1
タイトルのように聞かれる患者様は本当に多いですね。
親知らずが時々痛くなる、抜いたほうがいいとは思うんだけど、怖いし・・・
本当に抜かなくてもいいならこのままでもいいのかも、と悩んでいる人はたくさんおられます。
様々な視点から親知らずを抜くべきかということを一緒に勉強していきましょう。
複数回のシリーズで書いていきたいと思います。
親知らずは名前のとおり、昔は親が亡くなってから生えてきたらしいですが、
20歳〜30歳くらいで生えてくる人が多い(たいていは20代前半)です。
旦那は高校生のときに生えてきたそうで、個人差は結構あります。
親知らずを抜くかどうかは“存在意義”と“弊害”を考慮して決めるべきであると思います。
存在意義については
●ちゃんと噛んでいる(将来噛むことになるのか)
●まっすぐ生えてきている(くる)のか
●移植を考えるか、もしくは移植が将来的に必要であると予想されるお口の中か
ということです。
ちゃんと噛むということはまっすぐ生えてきているのとは微妙に異なっていて、
下の歯とのペアで噛むので、その噛み合わせが重要になります。
まっすぐ生えてきていない場合やちゃんと噛んでいない場合、歯の表面に汚れがたまりやすい
ことが問題となります。これは弊害ともリンクするので後述します。
移植は別の部位(たいていは第一大臼歯か第二大臼歯)に外科的に移動させる
(ざっくり言えば抜いて移動させる)手法ですが、親知らずがよく用いられます。
例えば、手前の歯が神経を取っていて根の治療が上手くいかない場合などは親知らずの
移植を考えてもよいケースだと思います。
ただし近い将来に移植を考えない場合は意味がないかもしれません。
(高齢になるほど移植の成功率は下がります)
弊害については
●歯ならびに影響があるか
●むし歯にならないか
●歯ぐきが腫れないか
●頬を噛んだりしないか
●神経との位置関係はどうなのか(しびれや異常出血がおこる危険はないか)
●上顎洞との位置関係はどうなのか(上顎洞と口の中が交通したりしないか)
などがあります。
明日はこの弊害について書きたいと思います。