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2015/01/14
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お薬の話—抗菌薬について—

抜歯をした後や炎症を抑える場合にしばしば抗菌薬をお出しします。

抗菌薬については、いくつか種類があります。
抗菌薬は実に多くありますが、セフェム系、ペニシリン系、マクロライド系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系などがあります。

どの薬を使用するかですが、口腔内は、様々な菌が常在します。むし歯を引き起こす菌など主に好気性、つまり酸素が多くある部分で繁殖するもの、歯周病を引き起こす菌など主に嫌気性、つまり酸素が少ない部分で繁殖するもの、カンジダといったカビの仲間(真菌)まで様々生息します。
このため、広域スペクトルの薬=より様々な菌を叩くものが望ましいといえます。

次に考えることは患者様のアレルギーについてです。
セフェム系・ペニシリン系はβラクタム環を有する仲間で、多くの方に適用できます。しかし、ごく稀にこれらでアレルギーがある方がおられる方があります。
その場合は、マクロライド系などを選択します。

最後に全身疾患です。
薬も程度を過ぎれば毒にもなるわけで、薬は代謝あるいは体外へ排出されていきます(解毒ともいえますね)。しかし、代謝・排出する臓器の機能が低下している場合は、通常と同じように処方をしてしまうと、どんどん蓄積されて毒となります。
具体的には、セフェム系は2つを除いたほぼ全てのものが腎臓で排出されますので、例えば腎透析を受けられている場合は、投与量を減らす、あるいは腎臓で代謝されないもの(マクロライド系)を選択することになります。
ちなみにマクロライド系は肝臓にて代謝されます。

妊婦さんの場合は、胎児に影響があると言われているニューキノロン系、テトラサイクリンは禁忌です。

Steven-Johnson症候群と呼ばれる急激にアレルギー症状が出てしまい、その後、より重篤なLyell症候群に落ちいったということを経験したことがあります。
(実際に関わっていたわけではないのですが)いわゆる薬疹と呼ばれる状態なのですが、全身大火傷を負った状態といえばイメージしやすいかと思います。
実際はそこまで重篤化するのは極めて稀ですが、薬を飲むまでは経験がないということもあります。
ちなみに薬の本では、このStevens-Johnson症候群はほぼ全ての薬の副作用に書かれています。

そのため、薬を飲んで何か異常がある場合は中止をして相談して下さい。





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