ブログ
美しくなるには内面から
おはようございます。
美しくなるには内面からという言葉がありますが、それにかけて。
歯の美しさ、美しい歯とはなんなんでしょう?
某野球選手はベンキのような白い歯にしてくれと言ったとか言わなかったとか。
(おそらく言ったのでこういう話があるんでしょうけれど)
歯は単純な白ではありません。真っ白であればきれいになるかというとそうではなく、
歯の構造を理解することから始まります。
歯は外側からエナメル質、象牙質、そして歯髄の3層構造となっています。
エナメル質は非常に硬く、半透明であります。エナメル質はハイドロキシアパタイトと呼ばれる無機成分を多く含んでいるためです。
象牙質は象牙細管がぎっしりつまっている歯のベースとなる色味を反映する部分です。エナメル質と同じく無機成分を含んでいますが、その他にたんぱく質やコラーゲンを多く含んでいるため、黄色味が強くなります。
そして歯髄、こちらは神経と血管がある部分です。
生きている歯を(ありえないですがりんごの皮のように)外側から徐々に剥いていくとどうなるでしょうか。
まず白味が薄れていき、段々と黄色がかった色になり、そして、血管があるため、赤くなります。
と、色の要素がいくつかあります。
“一般的な”歯の形をまずお話をすると、前歯では歯の切端部(先の部分)は厚みが薄くエナメル質だけで構成されているため、こちらは非常に透明度が高い部分になります。スケスケというわけではないですが、歯の裏にステインが付着していると色が反映されて暗くなります。
そして歯頚部(歯の根元)に向かうほど、歯の厚みがリッチになり、色が濃く透明度の低い白になってきます。
奥歯でも同じようになっていますが、私たちが見る方向から考えるとそこまでわかりにくくなってきます。
白い歯を作製する場合は、同じように透明度が高い材質を用いて歯に近いものを仕上げていくようにします。
しかし、一般的な歯でないことが多く、例えば、エナメル質が生まれつき薄い人、経年的に薄くなっている人、歯が磨り減っている人、小さい頃に服用したお薬の影響で歯の色が黄色味が強い人などさまざまあります。
そして、一般的によく歯の神経の処置を行うと、象牙質の色が変化し歯の色自体が暗くなります。また、歯の神経の処置をせずほうっておくと、象牙質自体の変性が強くなり、黒くなることもあります。
また、保険治療で銀の土台を入れるのですが、銀の溶出が強い場合(材料的な問題や生体の問題などがあります)溶けた銀が象牙質に付着すると象牙質が黒くなります。
金属部分が透けることがあります
土台の歯自体の変色が著しいです
このように歯は白いといっても十人十色です。
同じ白でも違いは歴然です。
(無料素材さんより)
こういう方が来院され、白い歯にしたいとご希望された場合は、歯の土台の色が透けることを考慮して、どの方法がもっとも適正であるかとうことをまず考えます。必要に応じて歯の内面の漂白から開始することもあります。
たとえば歯の土台が金属で、透明度が高いオールセラミッククラウンを使用したら色が透けてしまいます。
透明度が高い分美しさは抜群ですが、ごまかしがきかないというのがセラミックの特徴であるといえます。
まずは内面から、ということです。