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2016/06/15
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歯の痛みの謎ー動水力学説ー
歯の痛みはどうやって起こるのか、実はこれははっきりとしていないという
のが実際のところです。
「動水力学説」がもっとも有力な説なのですが、その前にもう少ししっかりと
説明しておきますと
歯の痛みを伝える神経は歯髄にあります。
通常、私たちは歯に痛みを訴えません。エナメル質が刺激から守っているからです。
しかし、エナメル質がう蝕や外傷などの理由で破られたとき、内部の象牙質が
露出します。
この象牙質はエナメル質と似たものではあるものの、神経は有していません。
しかし実際は神経線維がないにも関わらず、外来刺激に反応し、痛みを発生させる
という現象が起こります。
まとめると「象牙質は神経がないのに外来刺激でなぜ痛みが生じるのか?」これが
いくつか説があります。
象牙質はエナメル質と近いとはいったものの、象牙細管と呼ばれる細いトンネルが多数
存在し、そのなかを組織液が含まれています。
外来刺激、が加わるとこの象牙細管内組織液が動くことで、歯髄側の神経へ刺激が
伝達され痛みが生じるのかのではないか、とされています。
これが最も有力とされている「動水力学説」です。
この考えでいえば、一時的に刺激を抑えることで痛みは誘発しなくすることができます。
正露丸をむし歯につめるという理由の半分もここにあると考えます。