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2016/03/10
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よくある質問:胃瘻だと食べることができなくなるのですか?
胃瘻(いろう)、というのをご存知でしょうか。
外部から胃に直結する道筋を作ることですが、そのメリットとして胃から直接栄養分を
摂取できるということで、誤嚥が頻回に起こる方や咽頭への送り込みが不良な方、
食事の拒否で、誤嚥の恐れが高いあるいは栄養摂取のコントロールが難しい場合に
適用されることがあります。
よくPEGと言われますが、正式には経皮内視鏡的胃瘻造設術
(PERCUTANEOUS ENDOSCOPIC GASTROSTOMY)と呼ばれる手術で胃瘻が造設されます。
よくご家族に相談されることがある質問が、胃瘻をしてしまうと食べることができなくなるの?
というものです。
結論から言えば、食べることはできます。上記の誤嚥のリスクを考慮してなのですが、できれば
経口摂取は胃瘻をしていても続ける方がいいと思われます。
廃用症候群という言葉がありますが、使用しない組織は機能が衰えていきます。
食べて、飲み込むために使用する筋群でも使用しなければ同様に廃用症候群を起こします。
また、食道の廃用症候群は胃食道逆流を引き起こすとも言われています。
これらのことを考慮すれば、最初は少量であっても経口で摂取は望ましいと言えます。
また、誤嚥に対する処置としたとしても唾液が徐々に出てくるため、唾液の誤嚥は起こる可能性はあります。
ただし、誤嚥が原因の胃瘻造設の場合は、経口摂取は控えるべきだと思われます。