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2015/04/22
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入れ歯について知ろう−その59−咬合圧印象・咬座印象・リライン
おはようございます。
(総義歯に限定した話です)
これらの概念を知るには力の流れと強度というものを考える必要があります。
まず力の流れです。
力の流れは目には見えませんが、人工歯は天然歯ほどではないものの
複雑な形態をしているため、力はまっすぐに伝わるものではなく、もっと
複雑に流れていくことになります。
それを再現するには、選択加圧印象、つまり手指での加圧では無理があります。
それを補償するには、ご自身の咬む力で、かつ、人工歯を並べた状態で
印象を取るのがベストであると言えます。
義歯を作る流れとして、
精密印象(最終印象)
↓
咬合採得:咬合床を使用
↓
蝋義歯試適
↓
完成
となりますが、咬合採得時に再度印象を取る方法が咬合圧印象
蝋義歯試適時に再度印象を取る方法が咬座印象となります。
リラインは以前にお話したとおり、完成後に内面を印象します。
技工的な問題点もあり、咬合圧印象は実際に行わないことが多いのですが
咬座印象は技工的問題も少ないため行うことも多いです。
咬合床あるいは蝋義歯はある程度の強度を兼ね備えていますが、実際の義歯に
比べると少し強度が劣ることも多いです。
そのため、リラインがベスト、と言いたいのですが追加した材料はやはり弱い
ため、新義歯についてはあまりおすすめしません。
基本的には全部床義歯について行いますが、オルタードキャスト法は
この咬座印象の亜型とも言えます。
咬座印象の写真です。
このような形で正確な咬合圧が加わった状態での粘膜面の印象をとります。