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2015/04/21
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入れ歯について知ろう−その58−粘膜調整・ダイナミック印象のススメ3
粘膜調整材のもう一つの素晴らしいところは、ダイナミック印象という手法がとれるところです。
もともとダイナミック印象とは、長時間流動性がある印象材を使って、日常生活の機能的な粘膜の
状態を記録するという手法です。
ここで、印象のお話に戻しますが、通常、私たちはトレーを使って、術者の手指圧で選択加圧印象を
取ります。しかし、これは機能時に近似したものであって、機能時ではありません。
機能時って具体的に言うと咬んだ時や開口したとき、です。
そのような状態に近いものを記録しようとすれば、やはり義歯の形を呈したものの方がいいわけです。
ダイナミック印象は、義歯(古い義歯/新しい義歯)を使用して使ってもらうようにします。
前々回もお話ししたとおり、アルコール成分が徐々に抜けていくため、非常に長い間
流動性を有する粘膜調整材を用います。
粘膜調整材はこのまま使用し続けることはできないため、リライン(直接/間接)、
あるいはリベースといった技工工程を経て再度お口の中に入るということになります。
次回は咬合圧印象/咬座印象/リラインの比較についてのお話をします。