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2015/03/27
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入れ歯について知ろう−その38−アンダーカット部が小さい場合どう対処する?
もう4月ですね。
以前にも書きましたが、桜の季節は中の島公園はとてもきれいで、活気あふれます。
一番好きな季節でもあるので楽しみです。
さて、アンダーカット領域が大きい場合の対処法についてその37でお話しましたが
次はアンダーカット領域が小さい・少ない場合の対処法です。
多分こちらについては目に見える問題として出てくるのは、
『入れ歯がすぐ外れてしまう』ということでしょうね。
義歯が完成してから発覚してもあとの祭りとなってしまいます。
義歯(入れ歯)の設計をしていく上で問題に直面した場合、
実際のところどういうふうにしていくのか?ということです。
まずはこれが理想という話をしました。
これを改善するにはどのようにしていくか、ということです。
今回はこのようにバネが低い位置でしかかけられないという条件の歯があった場合
どうするか、ということについて考えます。
こういう状態の歯のことを、低位サベイライン、アンダーカット領域が小さいとも
言います(先日もお話しましたが、サベイラインは一番出っ張った部分を結んだ線、
アンダーカット領域はその歯頚側の領域)。
対処はいくつかあります。
◯維持を期待しないクラスプをかける
他の歯で維持力が期待できるならば維持を期待するクラスプをかけないという
コンセプトもあります。特に歯周病で動いている歯を義歯で動かないようにする
ことを『二次固定』と言いますが、維持を期待しない歯に何を期待するか、でこ
の方法をとります。
◯維持が期待できる場所にクラスプをかける
違う歯を支台歯と選ぶことになります。ただ、入れ歯が大きくなったりすると
違和感が大きくなったりする場合もあるので、その兼ね合いも考えます。
◯着脱方向を変える
前回のときにもお話をしましたが、着脱方向を変えることで改善する場合もあります。
患者様にとって少し取り扱いが難しくなるので相談にもなります。
◯歯の形を全て変える
これも前回のときにお話をしましたが、理想的な歯の形態のかぶせもの
(サベイドクラウン )を作っていきます。条件としてはかぶせものが大きく問題
がある場合ですね。
◯歯の形をちょっと変える(その1)
歯に齲蝕など大きく問題がない場合はリカンタリングを行います。
カントゥアとは膨らみのことで、この膨らみを変えることをリカンタリングと言います。
どうやって行うか?というと齲蝕治療で使用するレジンを歯に盛ることで対応します。
歯の表面を形態修正することでクラスプの走行を低くなるようにします。
茶色の部分(実際は歯の色です)にレジンを盛ることで携帯修正します。
このように歯の形態を少し変えるだけでクラスプの走行位置を変えることが
できます。
利点は歯を削らないということなのですが、反面、テクニックがいるという
のが難点です。
お口の中でそんなに正確にどうやってやるの?という話もあると思いますが、
裏技(というものでもないですが)手間ですが、意外と簡単にできます。
◯歯の形をちょっと変える(その2)
もう一つはディンプルを形成する方法です。クラスプの先の部分にわずかな窪みを
つけることで維持力を期待します。
この窪みは絵ではかなり大きくなっていますが、およそ0.5mm以内の窪みです。
これをクラスプの先端部に位置する部分に作ります。
そしてクラスプはそこにはまり込むようにして作る方法です。
◯矯正治療
これも前回お話しましたが、あまり行わない方法です。
といったような対処法があります。