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2015/03/25
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入れ歯について知ろう−その36−支台歯にかかる力のシステム的にわけるクラスプの分類、緩圧型・非緩感圧

クラスプ、つまり入れ歯のかかるバネには様々な種類があります。

今日は支台歯の条件によってはこんなバネもありますということのお話です。

蓋とピッタリ合う箱を考えて頂くと、カタつかないというのはわかると思います。
ほぼ平行な条件で雄と雌がピッタリ合わさると横揺れに対して強固に抵抗してくれます。

一方、蓋がスカスカの箱であれば、揺らすとカタつくことになります。
雄・雌の接触面が緩いと動きやすくなる分、それぞれについては独立して動くというメリット
もあります。

先のものが非緩圧タイプ、後のものが緩圧タイプといいます。
クラスプは基本的には非緩圧タイプです。入れ歯の動きを止める必要があるわけですので。
しかし、歯の条件によってはクラスプをかけないといけないが、歯が弱っているため
あまり力をかけたくないということもあります。
その場合に緩圧タイプが登場します。
そんなに簡単にできるの?ということですが、歯に接触する部分のデザインによって
コントロールすることが可能です。
RPIクラスプというものがありますが、歯に接触する部分を少し変えるだけで
歯にかかる力がコントロールできます。
RPIクラスプは他のクラスプと違い、歯をグルッと囲むタイプではなく、
レスト(R)、隣接面板(P)、Iバー(I)が三方向から接触するクラスプです。




図でいうと歯の側面に接している部分が隣接面板で、歯の中央の歯肉側から
ひらがなの「し」のような走行をしている部分がIバーです。
ちなみにアルファベットのIに似ているからIバーと言われています。
クロル型(Krol)とクラトビル型(Kratochvil)があります。
クロル型が緩圧型、クラトビル型が非緩圧型です。
二つの違いはどこにあるんでしょう?
それはP、隣接面板が歯に接触している面積(長さ)の違いです。
クロル型はわずかに接触するのみですが、クラトビル型はかなり
広い面積で接触します。
これがどのような違いを生むか、というと
最初にお話ししたピッタリさせると義歯(入れ歯)と支台歯が強固に
繋がるので、義歯が動かない分、支台歯に負担がかかります。
逆にほとんど接触しないと入れ歯が沈み込んだときに隣接面板と支台歯の
接触が外れ、歯には垂直的な力しか加わらないようになり、負担が解消されます。

これだけの違いで支台歯に大きく影響を与えることになります。




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余談ですが、学生さんを教えていた時によく間違えていたのは
隣接面板と誘導面(ガイドプレーン)
でした。



接触する部分の歯の方はガイドプレーン、クラスプの方は隣接面板です。

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