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2015/03/26
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入れ歯について知ろう−その37−アンダーカットが大きい場合どう対処する?

今日はよしなか歯科クリニックはお休みです。
ここ数日、全国的に寒さが一旦厳しくなりましたが、今日は暖かくなるでしょうか。

さて、歯の形のことを以前その31その32でお話して、
実は最後のお話をする前に話をそらしていました。

義歯(入れ歯)の設計をしていく上で問題に直面した場合、
実際のところどういうふうにしていくのか?ということです。

まずはこれが理想という話をしました。



今回はこのようにバネが高い位置でしかかけられないという条件の歯があった場合
どうするか、ということについて考えます。
こういう状態の歯のことを、高位サベイライン、アンダーカット領域が大きいとも
言います(サベイラインは一番出っ張った部分を結んだ線、アンダーカット領域は
その歯肉側の領域)。


対処はいくつかあります。
◯あえてクラスプをかけない
 無理な力をかけて歯に為害性のある力を加えるのであれば、クラスプをかけないという
方法もあります。ただし、他に支台歯の候補がある場合です。

◯クラスプの材質の種類を変えてみる
 その33でお話しましたが、キャストクラスプでは浅い位置にしか走行できないのに対して
ワイヤークラスプは深いアンダーカット領域を走行させることができるので、ワイヤークラスプ
で作製していくという選択肢もあります。
 また、保険外となりますが白金のワイヤークラスプはさらにしなりがあるため、
より深い位置を走行させることができます。

◯着脱方向を変える
 一般的には咬合平面と垂直に入れ歯を取り外すように設計しますが、この着脱方向を変えること
で改善する場合もあります。患者様にとって少し取り扱いが難しくなるので相談にもなります。

◯歯の形を全て変える
 歯がクラウンなどのかぶせものがしている場合、そして齲蝕(むし歯)などがあれば、
かぶせもの自体をやり直すことを先にします。そして理想的な歯の形態のかぶせものを
作っていきます。
 こういった義歯のクラスプを設計する上で理想的な形態にしたクラウンをサベイドクラウン
と言います。

◯歯の形をちょっと変える
 歯に齲蝕など大きく問題がない場合、クラウンなどの処置が施されていないしっかりした
歯の場合は大きく変えることができません。
その場合はリカンタリングを行います。
歯の表面を形態修正することでクラスプの走行を低くなるようにします。

このように歯の形態を少し変えるだけでクラスプの走行位置を変えることが
できます。

◯矯正治療
 選択することはないですが、かなりの傾斜している歯の場合であれば、矯正治療を行って
いきます。実際はそこまで望まれない方がほとんどです。

◯抜歯
 残念ながら保存が難しい歯であれば抜歯という選択肢もあります。


次回は逆にバネの維持がとれない(低位サベイライン)場合、どうしていくかに
ついてお話していきたいと思います。

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