ブログ
2015/03/22
ブログ
入れ歯について知ろう−その33−クラスプの種類
今日もクリニックへお仕事に少し行ったのですが、土曜日に留守電が入っていました。
休日と土曜日が重なってしまってややこしかったのですが、
院内でもう少しアナウンスしていればよかったかもしれません。
今日中にお電話させて頂きました。
一つはワイヤークラスプ、一つはキャストクラスプです。
ワイヤー、ワイヤー線でつくられたもので、しなりと弾力があり、とキャストは歯の形にしっかり沿わせることができるのです。
それぞれ一長一短があるため、どちらがよいかということは難しいのですが、
ワイヤークラスプは、キャストクラスプと比べて、弾力があるため、歯のより深い位置に
走行させることが可能となります。
一方キャストクラスプはその物性上から、弾力が乏しく、どうしてもワイヤークラスプより
も浅い位置に走行させざるを得ない場合があります。
これがどういう影響があるか、先日お話しした内容もあるのですが、走行が浅いと
見た目に目立ちやすくなります。
最大豊隆部を超えた歯肉側(はぐき側)の領域をアンダーカット(凹んだ位置)と呼ばれる
のですが、クラスプはこの領域へたわんで入り込みます。
キャストクラスプは全長の1/2程度しか入れられないのに対し、
ワイヤークラスプは2/3程度入れることができます。
これはキャストクラスプですが、ワイヤークラスプであれば
もっと深い位置でかつ細いものとなりますので目立ちにくくなります。
そのため、前歯部であれば、ワイヤークラスプの方が適していると言えるかもしれません。
しかし、ワイヤークラスプは断面が「●」であるため、歯面にたいしてピッタリと
しません、対してキャストクラスプはカマボコ状の断面であるため、歯面にピッタリを
します。
これは、汚れがたまりやすくなり、ワイヤークラスプの方が若干清掃をしっかりとする
必要があります。
また、ワイヤークラスプは屈曲を基本的に人間の手で行うため、熟練の業、
とまでは言わないまでもある程度の経験が必要となります。