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2015/02/25
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入れ歯について知ろう−その14−必殺の個人トレー
よしなか歯科クリニックでは入れ歯の型取りを行う際には
ほぼ必ず個人トレーというものを使って型取りをします。
一般的に歯科医院にあるものは既製トレーというものがあります。
(YDMホームページより引用)
このトレーの特徴として、ほとんどのお口の大きさの方にも適合することが
挙げられますが、精密に型取りをするということでは劣ります。
特に全体的に型を取る必要がある入れ歯の場合や、大きなブリッジなどの場合は
個人トレーを使用することが望ましいと思われます。
個人トレーは既製トレーで採った模型を元に各個人のお口にのみに
あったワクです。
個人トレーの利点として
印象材の厚さが最小限かつ均一になるので変形が少ない
自由に調整ができる
ということが挙げられます。
どういうことかというと個人トレーは印象材の厚さについて考えます。
印象材は弾性を持った材料ですので、理科でいうとバネに近い性質を持つと言えます。
バネの部分が印象材となります。
バネが長くなる(厚みが増える)と変形量が増えることになります。
もちろん均一になるというのは理想論ですが、
不均一すぎる印象材の厚みは口の中を再現できない
ということが言えます。
これが個人トレーで型取りをする利点の一つです。
また義歯は選択加圧印象であるとお話をしましたが、しっかりと力を加えたいところ、
痛みが出やすいのであまり力を加えたくないところがあります。
そういったことを作製過程で調節することができるのが特徴です。
さて、どのように作るかということですが、
既製トレーで型取りした印象からできた模型を使って、
必要な情報を書き込んでいます。
設計した個人トレーのラインに合わせて
厚さが均一なワックスを貼付けます。
この部分がスペーサーとなり、均一な隙間と
なります。
これにより印象材が均一な厚さとなり、
変形を少なくすることになります。
最後は個人トレー作製用のレジンで
作製します。
この流れで作製するのですが、
当院では現在のところ、私も含めて
ドクターで個人トレーを作製しています。
その目的の一つとして、模型に触れることで
分かることもあり、義歯の設計のため
(それ以外もありますが)の重要な情報を
知るためです。
状況によっては一回しか行わないこともありますが、
通常は二回行います。
なんで型取りを二回するの?という疑問について
理解して頂く一助になればと思います。
次回は型取りの材料についてお話をします。
精密な型取りができる材料がいいのか?
・・・そうとも言えないことも実はあったりします。