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先生、親知らずって抜いた方がいいですか?パート4
いよいよ2月の診療一日目がスタートしました。
抜いた後のトラブルについてもお話しておきます。
難しい場合は歯ぐきを切開して抜歯、つまり歯をとった後縫合します。
糸を抜くのはおおよそ一週間後となります。そのあとはもう大丈夫、というわけには
いかない場合もあります。
●しびれがある
これはめったにありませんが、術前の検査である程度予測ができます。
しびれが出た場合は、ビタミン剤などの投薬を行いますが、治るのには多くの時間を要します。
●術後出血
止血処置をしっかりと施しますが、通常の抜歯よりも侵襲が大きい場合があるので、術後出血を
起こす場合があります。止血処置を施します。術直後のみのトラブルです。
●飲み込むときに痛い
これもめったにありませんが、術後炎症が内側に出ると飲み込むときに痛みが出ることがあります。
ちょうど風邪をひいたときをイメージしてもらうとわかると思います。
●しみる
このしみるというのは手前の歯です。親知らずが手前の歯に接触して生えていると、抜いた後、
手前の歯の根が見えてしまう場合があります。この場合は知覚過敏抑制剤を塗るなどの処置をします。
●頬がつっぱった感じがする
口の中に限らず、傷を縫ったときにおこります。これも徐々にとれてくることが多いです。
●抜いた痕に食べ物がよくつまる
どうしても抜いた部分がくぼみになってしまい、食べ物が入り込むことがあります。以前にも
書きましたが、抜いた痕が治るのには結構多くの時間を費やします。こまめにうがいをしてもらう
必要があります。
●抜いたところが痛い
親知らずの抜歯後痛みが続くには大きく2つあります。それは感染とドライソケットです。
抜歯部を不潔にしていると感染がおこることがあります。次のドライソケットの項で対策を書きます。
●ドライソケット
ドライソケットとは歯を抜いた部分のかさぶたがとれてしまい、骨が一部露出する現象です。上の感染に
近いのですが、原因がはっきりしていません(感染が原因とも言われます)
対策としては、抗菌薬を服用して根気よく清潔にすることと、抗菌薬軟膏を抜歯部に直接塗布します。
術後2週間以上続くこともあります。
と書いてはみましたが、ゼロではないものの、私の臨床経験ではほとんどありません。
深い部分に歯があるなどの理由で抜歯の際にかなり骨を削らなければならない方がいて、
「2,3日後に“かなり”腫れますよ」
と説明した人でもほとんど腫れなかったという人もいますし、
あまり腫れないだろうなと思っていた人が意外に腫れたという人もいます。
それでもほとんどの場合では腫れの期間は1週間程度です。
最後に付け加えておくと、未来の予測はできても100%はありえないので、
説明は十分にする必要がある、と私は思います。