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2014/11/07
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磁石と入れ歯

おはようございます。
よしなか歯科クリニックのJugem blogも(ほぼ)毎日更新中です。
日常のニュースや出来事(主に吹田)について書いております。

今回は少し特殊な入れ歯(以下,義歯とします)のお話をさせて頂きます.


よく義歯が動くといわれる方に相談されるのが“磁石”をつけるのはどうか?ということです.

一般的に磁性アタッチメントと呼ばれるもので,入れ歯の落ち着きがよくなります.

他にもアタッチメントの種類がありますが、磁性アタッチメントがよいという点は多くあります。
強固に連結すればするほど歯にかかる負担は大きくなり、支えの歯が悪くなるということ、複雑な構造のアタッチメントは修理などの対応が非常に困難になるということを考慮すると磁性アタッチメントは有利であるといえます。



では磁石は万能か?というと少し違います.
わかりやすく例を言うと,
まず磁石は距離により維持力は格段に落ちます.
磁石をくっつけた状態で引っ張ると突然磁力がなくなります.
つまり,磁石はぴったりあわさってこその力になります.


次に磁石は横からの力に弱いということです.
磁石をくっつけた状態から引っ張るのではなく横にずらしていきます.
すると驚くくらい簡単にずれます.
黒板に磁石をつけたとき考えていただくとわかりやすいかと思います。
横からの力には非常に弱いものになります.
といっても支える歯にとって優しいという点では利点なのですが,
患者様にとっては義歯がはずれやすいのは難点ですね.


つまりは磁石をつけたからといって,しっかりと横からの力を受けないように義歯の調整を行わないと磁石の効果が十分に発揮されないことになります。
そのため,義歯の調整が完了してから磁性アタッチメントは取り付けます。

クリックで挿入
このようにキーパーと呼ばれるものを
クリックで挿入
歯にとりつけます.

クリックで挿入
その上に磁性構造体と呼ばれる磁石を置いて
クリックで挿入
磁石を義歯に組み込みます.

クリックで挿入
とてもしっかりと落ち着いた義歯になりました.

つまりは磁石だけをつければいいというものではない、ということを念頭において頂きたいと思います。


よく心配されるのがMRIを受ける際に磁石は大丈夫なのか?ということです.
MRI検査は磁力を利用した検査で,義歯を外すようにして下さい.
(通常はどんな義歯でも外します)
ちなみに磁性構造体をMRIに入れると像が乱れることと磁力が弱くなることが
報告されています.
また,最近はキーパーも検査時に外すことが可能なものもあります.
どうしても心配される方はこちらの方法がよいと思われます.


患者さま側への注意点としては磁石表面を傷つけないことがあります.
傷ができると磁力が格段に弱くなります.


また,歯の大きさによって選べる磁石の強さも変わってきます.

実際にお口の中を見てよく吟味して決定していくことになります.


磁石については残念ながら保険適用ではないため,
自費診療となります.
当院では50,000円となっております.
(自費の義歯とは別途となります.最初にご相談します)

こちらも参考にして頂くとよいと思われます.
愛知製鋼のマグフィットのQ&A
http://www.magfit.jp/magfit/application02/index.html


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